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不倫の示談書にサインしてしまった!あとから無効や減額を主張できる?

請求された

不倫が発覚した際、相手方の配偶者から強い口調で迫られ、冷静な判断ができないまま示談書にサインをしてしまうケースは少なくありません 。一度サインをしてしまうと、後から内容を覆すのは難しいのではないかと、一人で不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか 。

結論から申し上げますと、自らサインをした示談書は原則として有効となりますが作成の経緯や内容に法的な問題があれば、例外的に無効や取り消しを主張できる可能性もあります

本記事では、不本意な示談書にサインしてしまった場合の法的リスクや、効力を否定できる具体的なケース、そして平穏な生活を取り戻すための正しい対処法について、裁判例を交えて分かりやすく解説します 。

1. 示談書とは

不倫問題における示談書とは、不貞行為によって生じたトラブルを解決するために、当事者間で約束した内容をまとめた契約書のことです。一般的には、慰謝料の金額や支払い方法、今後の接触禁止、口外禁止などが記載されます。

必要な条項を入れたうえで一度示談が成立すれば、追加で慰謝料を請求されることは原則なくなります。トラブルを最終的に解決させるための重要な書類です。

2.サインした示談書は原則有効となる

日本の法律には、契約自由の原則という基本的な考え方があります。これは、誰と、どのような内容の契約を結ぶかは、個人の自由であるという原則です。(民法第521条・第522条)

これらの条文に基づき、自らサインをした示談書は「自由な意思で契約を結び、その内容を承諾した」とみなされます。たとえ正式な形式ではないメモ書きのようなものであっても、双方がサインをしていれば有効な契約として扱われます。後から「納得していなかった」「怖くて書いただけだ」と言っても、自分の意思でサインをした以上、その合意を覆すのは非常に困難です。

以下に、不倫をした側が「納得していなかった」「無理やり書かされた」と主張したものの、裁判所がそれを認めず、示談書通りの支払いを命じた事例を紹介します。

東京地方裁判所・令和2年2月28日判決

①事案の概要

原告である夫が、不倫をした被告男性をファミリーレストランに呼び出し、約40分間の話し合いを行いました。その場で被告男性は「毎月39万円×13回=合計507万円」という分割払いの条件に合意し、示談書に署名捺印しました。

後に男性側は、「総額の欄が空欄だった」「相場より高額すぎる」「職場にバラすと脅された」として、示談の無効や取り消しを訴えました。

②裁判所の判断:示談書は有効

裁判所は、以下の理由から男性側の主張を退け、507万円全額の支払いを命じました。

・合意の成立: 総額欄が空欄であっても、本人が「月39万円×13回」という具体的な数字を自ら記入している以上、総額の507万円を認識して合意したとみなされる。

・強迫の否定:「応じなければ勤務先に請求する」という発言はあったが、事実確認や責任追及の範囲内であり、社会的に許されない強迫とまではいえない。

・公序良俗違反の否定: 507万円は裁判上の相場より高いが、本人が納得して早期解決を図るために合意したのであれば、直ちに無効と言えるほど不当な金額(暴利)ではない。

3. サインした示談書が無効や取り消しになる場合

上記のとおり、原則として示談書は有効となりますが、示談書にサインするまでの過程や内容に問題があった場合には、例外的に効力を否定できる場合があります。

3-1. 内容が公序良俗に反する場合(民法90条)

社会の常識から著しく外れた内容は、無効になる可能性があります。例えば、不貞慰謝料の相場より極端に高額な慰謝料数千万円での合意や、個人の自由を不当に縛る条件が含まれている場合は、公序良俗に反するとして示談書が無効になる可能性があります。

3-2. 強迫行為があった場合(民法96条)

相手方から身体や名誉に対して不利益を与えることを告げられ、それによる恐怖心から示談書にサインしてしまった場合は、示談書の成立が取消しになることがあります

不倫トラブルの現場では、相手方から「この場で合意しなければ、職場に不倫の事実を伝える」「親族や配偶者にもすべてバラす」といった言葉で決断を迫られ、やむを得ずサインをしてしまうケースが少なくありません。このように、平穏な判断ができない状況で交わされた約束については、示談書の成立が取消しとなる可能性があります。

サイン済の示談書の成立が取り消しになった裁判例としては、以下のようなものがあります。

東京地方裁判所・平成29年3月15日判決

①事案の概要 原告である夫が、探偵業者ら男性計4名とともに、深夜に原告の妻が住むマンションへスペアキーを使って侵入。室内にいた被告男性(不倫をした側)を囲み、携帯電話を預かって外部への連絡を困難な状態にした上で、「サインしなければ勤務先に知らせて解雇させることもできる」といった趣旨の発言をしました。被告男性は恐怖を感じ、その場で「慰謝料600万円を支払う」旨の示談書にサインをさせられました。

②裁判所の判断 裁判所は、以下の理由から、この示談(和解契約)の取り消しを認めました。

・手段の不当性: 深夜に男性4名で押し掛け、囲い込むような状況は、被告が恐怖心を抱きやすい客観的な状況であった。

・強迫行為: 「職場に知らせて解雇させる」といった発言は、被告に強い恐怖感を与えるものであり、自由な意思決定を妨げる強迫にあたる。

・金額の不相当性: 合意した600万円という金額は、不倫の期間や背景に照らしても、一般的な相場より高額すぎる。

ただし、喫茶店やファミレス等の第三者が周囲にいる状況で示談書にサインをした場合は、強迫は認定されづらくなります。

3-3. 詐欺があった場合(民法96条)

相手方に嘘をつかれ(詐欺)、誤信してサインをした場合も取り消しの対象です。実際にどういった内容が詐欺行為にあたるかはケースバイケースですので、詐欺による示談の疑いがある場合は、弁護士へ相談することが望ましいでしょう。

3-4. 錯誤に基づいて、契約を締結した場合(民法95条)

重要な事項について勘違いをした状態で示談書にサインをした場合、その合意が無効となることがあります。例えば、法律上の支払い義務がない項目について義務があると誤解していたり、「30万円」だと思い込んでサインしたが、実際には「300万円」だったというケース等、合意内容の核心部分に誤解がある場合が考えられます。

ただし、自分の単なる不注意による勘違い(重過失)とみなされると、無効を主張するのが難しくなるため、当時の説明内容や状況を精査する必要があります。

4. サインしてしまった示談書の無効や取消しを主張する方法

不本意な形で示談書にサインしてしまった場合、その効力を否定するためには、主に以下の2つの方法を取ることになります。

4-1. 相手方と再交渉を図る

契約は当事者間の合意で成立するものですが、同様に、双方が納得すれば撤回することも可能です。

しかし、一度有利な条件でサインを得た相手方が、単なる「取り消したい」という申し出に素直に応じるケースは少ないでしょう。

自分一人での交渉は感情的な対立を招きやすいため、弁護士が介入して論理的に問題点を指摘することで、撤回に応じてもらえる可能性が高まります。

4-2. 裁判手続きによる争い

相手方が頑なに撤回を拒む場合、最終的には法廷で決着をつけることになります。

自分から「支払い義務がないこと」を確認する訴訟(債務不存在確認訴訟)を起こすこともありますが、多くは相手方から起こされた「示談書通りに支払え」という裁判の中で、その有効性を争う形になります。

裁判で示談書の効力を覆すためには、以下の点が重要です。

・公序良俗違反の主張: 慰謝料額が世間相場から逸脱している場合などは、裁判官の客観的な評価に委ねることになります。

・強迫・詐欺・錯誤の主張: これらを認めてもらうには、主張する側が証拠を示す、立証責任があります。密室でのやり取りや口頭の脅しは証拠が残りにくいため、録音データや前後のLINE、メールの履歴がなければ、効力を否定するハードルは極めて高いのが現実です。

裁判は高度な専門知識や経験が必要不可欠なため、弁護士のサポートを受けることをお勧めします。

5. 示談書の内容を守らないとどうなる?

「一度サインはしたけれど、やはり納得できないから支払わない」と放置してしまうのは非常に危険です。示談書を守らなかった場合のリスクと、正しい対処法を確認しましょう。

5-1. 放置することで発生する法的なリスク

示談書の内容を守らなかった場合、以下のような事態を招く可能性があります。

・給与や預貯金の差し押さえ(強制執行)

相手方が示談書を証拠として裁判を起こし、主張が認められると、裁判所から強制執行の手続きを取られる可能性があります。勤務先の給与や銀行口座が差し押さえられますので、その過程で勤務先に不倫の事実を知られてしまうリスクがあります。

・一括請求と遅延損害金の発生

多くの示談書には、支払いが滞ると残額を一括で支払うという条項(懈怠約款)が含まれています。分割払いが遅れると、残金に加えて遅延損害金も上乗せされ、負担はさらに膨らみます。

・公正証書がある場合はさらに迅速に手続きが進む

もし示談書を、公正証書(強制執行認諾文言付き)で作成していた場合、相手方は裁判を経ることなく、直ちに差し押さえの手続きに入ることができます。

5-2. 納得できない、支払いが難しい場合の正しい対処法

単なる放置は状況を悪化させるだけです。内容に不満がある場合は、以下のステップで解決を図る必要があります。

①支払期限を過ぎる前に再交渉を申し出る

不履行という事実を作ってしまう前に、示談の撤回や減額、分割払い等の支払い条件の変更を求める意思表示を行います。相手方も条件等の変更に応じれば、示談のやり直しが出来るケースも少なくありません。

ただし、個人での交渉は相手の感情を逆なでする可能性が高いため、弁護士を通じた法的な交渉が推奨されます。

②適切な「やり直し」のプランを立てる

前述した「強迫」や「公序良俗違反」を主張できる余地があるのか、専門家に判断を仰いでください。

取り消せる見込みがある場合: 内容証明郵便による取消通知の送付や、再交渉、裁判での争いに備えます。

取り消しが難しい場合: 無理な不履行で差し押さえを受ける前に、支払い可能な範囲での「和解の結び直し」を目指します。

6. まとめ

既婚者との不倫がばれて示談書にサインを求められた場合、まずは弁護士に相談することをお勧めします。示談書も一種の契約であるため、一度サインをしてしまえば、原則としてその内容は有効となってしまうからです。

仮に示談書にサインしてしまった後でも、「内容が公序良俗に反する」「強迫や詐欺行為があった」「重大な勘違い(錯誤)があった」といった主張をすることで、その効力を否定できる可能性はあります。しかし、一度交わした示談書の撤回を目指すハードルは高く、自分一人で相手方と渡り合うことは困難です。

もし、不本意なサインをしてしまい後悔しているのなら、一人で悩む必要はありません放置して事態が悪化する前に、まずは男女トラブルの解決実績が豊富な弁護士に相談し、適正な解決への道を探ってみてください。 弁護士法人ジェネシスは無料相談可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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